「子宮内膜症と月経痛」

西村産婦人科クリニック 西村 幸也


Q:子宮内膜症とはなんですか?

A:子宮の内側にある膜を子宮内膜といいます。いつもは、月経とともに毎月
はがれている部分です。この子宮内膜が、正常では有るはずのない別の部分、
たとえば子宮筋層の中、卵巣、腹膜などに散らばって増殖するためにおきる病
気です。

Q:若い女性に多くなっているということを聞きますが?

A:はい。増えています。理由はいろいろありますが、生活様式の変化や、女
性の晩婚化、出産回数の減少などが考えられます。

Q:どういう症状がでるのでしょうか?

A:もっとも多いのは、月経痛です。一般的には「生理痛」とも呼ばれていま
す。月経痛を訴える20才台の若い女性の約50%は、子宮内膜症が原因と考
えられます。

Q:どのように治療するのですか?

A:子宮内膜症の程度、その方の年令、また、今後出産を希望しているかどう
かによって違ってきます。一般的には、外来通院してホルモン剤で治療します。
現在は、患者さんのライフスタイルを考えて、点鼻薬を使う方法とか、月に1
回注射する方法などいろいろあります。どの方法でも、4〜6ヶ月ほど続ける
必要があります。

 また、ある程度以上進行した方の場合、手術が必要なケースもあります。そ
の場合でも、ホルモン療法が組み合わされて行われることが多いです。

Q:月経痛が気になっている女性にアドバイスを

A:ためらいもあるかもしれませんが、一人で悩まずにどうぞ産婦人科を受診
して下さい。特に問題のない月経痛ももちろん多いのですが、子宮内膜症があ
る場合、ある程度以上に進行してしまうと、治療してものちのち不妊症になる
こともあるので注意して下さい。


Back