「予防接種について」

さしなみ小児クリニック 差波  司


Q.予防接種は何のために必要なのですか?

A.たとえば、はしかなどの病気は、一度かかるとそのウィルスに対する免疫
ができて、ほぼ一生それが残っています。そのために、次に体にウィルス入っ
てきたとしても、その免疫が防いでくれるので、症状が出なくて済むわけです。
ワクチンというのは、注射なり、飲んだりすることで、症状は出ないもののそ
の病気にかかったと同じ状態を作り、体に免疫をつくらせるわけです。ですか
ら、予防接種で免疫がうまくつくと、その病気にかからなくて済むわけです。

Q.どの様な予防注射がありますか。また、費用はかかりますか?

A.子供が行う予防接種の主なものは、三種混合ワクチン、ポリオ、BCG、
麻疹、風疹、日本脳炎の6種類です。これらは八戸市内に住所がある人は無料
でできます。ただし、ワクチンによって受けられる年齢制限がありますので、
注意して下さい。八戸市で母子手帳といっしょに配布しているハンドブックに
書いてあります。わからなければ、市内の小児科で聞いて下さい。そのハンド
ブックに、ワクチンごとに問診票がありますから、それに記入し提出して、受
けて下さい。また、問診票は、市内の小児科などではであれば病院にもおいて
あります。八戸市以外の方は、住んでいる各役所に訪ねて下さい。 

水痘、おたふくかぜ、インフルエンザ等の予防注射は希望によりできますが、
現在の所、有料です。また、BCGを病院で個別に行う場合も有料になります。

Q.いつから受けられるのでしょうか。また、どの様にして受けるのでしょう


A.生まれて3ヶ月を過ぎたら、三種混合ワクチン(これは赤ちゃんがかかる
と怖い百日咳、ジフテリア、破傷風を防ぎます。)ポリオ(これは、小児マヒ
を起こします。)BCG(結核を予防します)の3種類ができます。その他の
ワクチン(はしか等)、は1才を過ぎてから行います。また、日本脳炎ワクチ
ンは3才過ぎからになります。

ポリオは飲むワクチンですが、他は腕の皮下への注射、BCGはスタンプ式です。
注射はかわいそうかもしれませんが、痛みは一時、病気で苦しむよりは軽いの
です。
出来るだけ受けるようにしましょう。

Q.どこで受けられますか?

A.予防接種の受け方には、地区の公民館や学校で受けるいわゆる集団接種と、
個人が病院に行って受ける個別接種があります。
現在住んでいる市町村で違いますが、八戸市の場合、ポリオとBCGは集団接
種を行っています。それ以外の予防注射は、市から委託を受けている病院や診
療所で個別接種で受けて下さい。

Q.1回受ければいいのですか?

A.いいえ。三種混合は、ほぼ1ヶ月おきに3回、その1年後にもう一度の計
4回受けて下さい。ポリオは2回です(1回目と2回目の間隔がしばらくあい
てもかまいません)日本脳炎は、3才から14才までに5回です。それ以外の
予防注射は今のところ、1回です。

Q.具体的にどういう順番で受けたらいいのでしょう。 

A.生後3ヶ月を過ぎたら、三種混合ワクチンは、医療機関で1年を通してい
つでも出来ます。ただし、病院によって、曜日を決めていたり予約が必要な場
合があり、あらかじめ電話で確認してから行くといいでしょう。集団接種は八
戸市では、現在ポリオは毎年6月と10月頃に年2回、BCGは7月から8月
にかけて行っています。3ヶ月を過ぎている子供はその時期には優先して受け
て下さい。(集団接種を受けられる場所は、市の広報にのりますので、近いと
ころで受けて下さい。また、期間内であればどこで受けてもかまいません。)
受ける順番に決まりはありません。たとえば、三種混合ワクチンの間にポリオ
やBCGを受けてもかまいません。
1才を過ぎたら、まず麻疹(はしか)、次に風疹を受けて下さい。
また、自費で行う水痘、おたふくかぜは、どちらが先でもかまいません。

Q.予防接種の間隔はどのくらいあければいいのでしょうか?

A.三種混合 → 三種混合 は3週間以上あける。
   三種混合 → ポリオ、BCG、麻疹、風疹 は、1〜2週間後にでき
ます。     
ポリオ、BCG、麻疹、風疹 → 三種混合 は、4週間以上あけてください。

Q.費用はかかりますか?
A.三種混合、ポリオ、BCG、麻疹、風疹、日本脳炎は、八戸市内に住所が
ある人は無料です(年齢制限あり)。ハンドブックに問診票がありますから、
記入し提出して下さい(個別の問診票は当院にもあります。)八戸市以外の方
は各役所にお訪ね下さい。 
水痘、おたふく、インフルエンザ等の予防注射は現在の所、有料です。また、
BCGを病院で個別に行う場合も有料になります。

Q.日本脳炎ワクチンが、できるようになったとのことですが?

A.今年4月から3歳以上の子供に無料でできるようになりました。日本脳炎
は南の地方や東南アジアでみられる病気で、これまで青森県と北海道がこのワ
クチンを公費で行っていなかったのですが、人の交流が盛んになったこともあ
りワクチンによる免疫を付け、さらには病気を根絶しようという目的がありま
す。

Q.1回の注射でいいのですか?

A.いいえ。これは1番回数を多くやる必要があり、5回です。3才を過ぎた
ら1回、その1〜4週後に2回目をします。さらにその1年後に3回目をやり
ます。これを基礎免疫といいます。また、9才で4回目、14才で5回で終了
です。

Q.費用はかかりますか?

A.八戸に現住所がある3才から7歳半までの子供が無料の対象になります。
また9才と14才の時の注射も無料の対象となりますが、その前に3回の注射
(基礎免疫)の済んでいる人が対象になります。対象の方は、予診票が、市内
の小児科医院などにありますのでそこで注意書きを読んだあと記入すれば、無
料で受けられます。
 
最後に インフルエンザワクチンについて

Q.毎年、冬になるとインフルエンザが流行しますが、予防注射は受けた方が
いいのでしょうか。

A.ここ2〜3年八戸でも冬場(特に12月から2月の間)にかなりの流行が
みられます。
インフルエンザは、ウィルスの変異が強いため、毎年その流行するウィルスの
タイプが違うという特徴があります。そのため、その年に流行しそうなタイプ
を予測し、ワクチンを作ります。最近は、ほとんど予測通りの流行があり、ワ
クチンも有効です。
10月中頃にはその年のワクチンが使えますから、インフルエンザが流行る前
に、早めに受けた方がいいでしょう。このように、インフルエンザは毎年その
年に合わせたワクチンが必要なため、毎年行う必要があります。

Q.1回の注射でいいのですか?

A.子供は4週間の間をおいて2回やって下さい。1回だけでもある程度効果
はあります
成人は、1回でも効果は充分で 欧米では1回接種が主流とのことです。

Q.費用は?

A.残念ながら自費です。お年寄りには公費で行う案もあるようですが、具体
的にはまだ現時点では決まっていないようです。

最後に
繰り返しになりますが、予防接種(ワクチン)は、病気に対する免疫を付け、
その病気にかからないようにするためのものです。軽い副作用がある場合があ
りますが、ワクチンも年々改良されており、重い副作用は以前より少なくなっ
ています。
いずれにしても、担当の先生によく相談し、納得してから受けるようにして下
さい。
注射はかわいそうかもしれませんが、痛みは一時、病気で苦しむよりは軽いの
です。
出来るだけ受けるようにしてください。


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