「女性のための低用量PILLが使用できるようになりました」

八戸赤十字病院 佐藤 顕


経口避妊薬(oral contraceptation:oc)所謂pil
lが今年の九月に発売されることになり、今までのpill(高用量、中用量
pill)よりも避妊を目的として、使用することが容易になりました。望ま
ない避妊を避けたい人にとっては福音と成ることでしょう。

*低用量pillと今までのpillとの違いは?

低用量pillは女性ホルモンのエストロゲンの用量を極めて少なくして、し
かも避妊効果を十分に発揮出来るように作られた薬です。副作用の面でもいま
までのpillと比べて発生頻度が低く、重篤な障害をおこすことは殆どなく、
軽い消腿出血や多少の体重増加が見られる程度です。更に、使用した後の妊娠
の希望は容易にかなえられます。

*低用量pillを使用するためには?

pillは長期間にわたり使用する薬ですから、健康な人が対象となります。
乳癌や子宮癌や良性肝腫瘍の人は使用できませんし、飲酒者、35才以上で1
日タバコを15本以上喫煙している人にも使用出来ません。年齢的には20才
以上から40才までの健康な人で、妊娠する機会の多い人や、これ以上子供を
作る予定のない人、次の妊娠まで少し期間を置きたい人が対象になります。

さらに、生活のリズムが規則的で、指示を守れることが条件となります。若す
ぎる人や、性生活が乱暴な人は使用できません。

この薬は性行為感染症(STD)には全く無効で、STDの可能性が高い相手
と性交渉の機会があるときはコンド−ムを併用し、感染症にたいして十分な注
意が必要です。

*必ず医師の指示とpill使用のための検査を受けましょう。
pill使用に際しては必ず医師を訪れ十分なインフォ−ムドコンセントを受
け、十分に理解し、納得し、使用後は定期的に診察を受け観察することが必要
です。コンド−ムのように手軽で簡便な避妊法ではありませんので十分な注意
が必要です。

*指示された通りに使用することが避妊効果を100%近くにすることが出来
ますし、低用量pillの副作用として月経困難症、子宮内膜症、子宮内膜癌
、卵巣癌の発症予防にも効果があることが知られております。

“楽しいQOLを長くつづける為にも医師の適切な指示を受けることが必要で
す。低用量pillについてのご相談は産婦人科外来または病棟へいらして下
さい。”


Back