「見逃していませんか?こころの疲れ」


八戸マナクリニック 岡田  元



1.こころの健康について:こころと身体の関係
 第二次健康はちのへ21(改訂版)(計画の期間:平成30年度〜平成34年度)が立
案され実行に移されています。概要は「市民がよりよく生きるため、健康について
正しい知識を知り,生活習慣を見直して病気を予防し悪化させないようにする」と
記載されています。計画では9つ大切な項目が挙げられ,そのうち「心の健康」
「飲酒」と心の面を直接扱う項目があります。ところが心の問題と体の問題は分け
ることができないものです。
 こころの健康のために,まず以下の6つが大切です。
  1)悩んだ時は誰かに相談。
  2)ストレスと上手に付合いコントロールする。
  3)十分な睡眠や休養をとる。
  4)友人や地域と交流を持つ。
  5)仕事と家庭や地域生活のバランスをとる。
  6)心の病気と適切な対応の理解を深める。
 これらのことができれば十分です。

2.健康寿命,ストレス,自殺対策,うつ病,睡眠,飲酒について
1)健康寿命について
 健康寿命とは自分の心身で生命維持し,自立した生活ができる生存期間のことで
「日常生活に制限のない期間」です。ストレスや生活習慣に気をつけ健康寿命を延
ばしましょう。
2)ストレスについて
 ストレスには様々な種類があり,心や体,行動に影響を及ぼします。ストレスが
続くと体が「そろそろ休んでね」とサインを出している状態です。放置するとうつ
病などの治療を要する病気にかかることもあるので以下のような対策をしましょう。
  □規則正しい生活(運動や,食生活も大切)
  □できれば人と交わる時間を増やす。
3)うつ病は誰でもかかる
 生涯有病率6.5%(一生に1回うつ病にかかる人が15人に1人)というデータ
があります。うつ病とは、大まかに気分の落ち込みや興味や喜びが減った状態が
「1日中」「2週間以上」続いている状態をいいます。自殺をなんとか防げれば良
くなる病気なので、焦らず医療機関を受診することをお勧めします。
4)睡眠について
 何らかの心の不調を見つける糸口が「いつもと違う」睡眠です。うつ病をはじめ
とする心の病気で睡眠の異常が起こることが多いのです。
 眠くなったら床につき朝同じ時間に起きだすのが理想です。
 何時間眠ればいいのかは人それぞれですが,だれでも睡眠時間は年齢とともに減
り、眠りも浅くなり、目が覚めやすくなります。
5)お酒について
 健康に酒をのむには週2回の休肝日を設け、1日あたり男性なら日本酒1合程度
女性・高齢者・お酒を飲むとすぐ赤くなる方はその半分までにしましょう。

3.まとめ
 こころと体がいつも通りか,ご自身でも周りの方にもわかりやすいのが睡眠です。
ストレスへの対処法,上手な睡眠の取り方などを中心に説明し,心身の健康を維持
できるようになっていただきたいのと同時に,こころの病気が隠れていないか「い
つもと違う」睡眠には気をつけましょう。周りの方から見ていつもと違う「様子・
表情・態度」に気をつけて見てみましょう。そして不自由なく生活できる時期
(健康寿命)を延ばしましょう。