「老化に負けない骨づくり〜骨粗鬆症予防」


おくでら整形外科クリニック 奥寺 良之


 骨粗鬆症とは骨の成分であるカルシウム,タンパク質などが減って,骨の量
が少なくなる病気です。

 年をとれば誰でも骨の量は減るものですが(生理的減少),骨粗鬆症はそれ
に様々な要因(カルシウム不足,ビタミンD不足,女性ホルモンの不足,運動
不足など)が加わった病的な状態をいいます。

 では骨の量を減らさないためにはどうすればいいのでしょうか。

 1十分なカルシウムの摂取
 カルシウムは牛乳・乳製品・小魚・海藻・野菜・大豆製品に多く含まれてい
ます。日本人では1日量600r以上必要とされていますが,なかなかそこま
で摂取されていないのが現状です。特に高齢者及び骨粗鬆症と診断された方は
1日800r〜1000r以上の摂取が必要です。

 2ビタミンDの摂取と日光浴
 ビタミンDはカルシウムの吸収を助け,レバー,きのこ類から多く摂取出来
ます。また体の皮下脂肪にある物質が日光(紫外線)を浴びることによりビタ
ミンDとなります。それが活性化されるとカルシウムの体内への取り込みを促
しますので,日光浴は骨の強化に効果があります。

 3軽い運動をしましょう
 摂取したカルシウムは適度な運動で骨に負荷をかけてやらないと,骨に貯え
られず体外に排泄されてしまいます。
 ラジオ体操,水泳,ゲートボール,散歩
 (8000歩〜1万歩),軽いジョギングなどが適切でしょう。

 次に普段の生活で気をつけることをお話しましょう。

 1飲酒・喫煙
 アルコールは腸の粘膜に作用してカルシウムの吸収を阻害します。タバコも
骨に悪影響を及ぼすといわれています。百害あって一利なしです。いずれにし
ても,飲みすぎ,吸いすぎに十分に注意して下さい。

 2骨折を予防する

 道路を歩く時は杖を使うこと
 トイレ・階段には手すりをつけること
 浴室は滑らないように工夫すること
 骨折予防体操を毎日すること

 3極端なダイエットやインスタント食品のとり過ぎはやめましょう。
 カルシウムの摂取不足を来たし,リン酸をとり過ぎると,骨を溶かすホルモ
ンが分泌され,骨からカルシウムが逃げてしまいます。

 最後に「骨粗鬆症にならないために」という患者啓蒙ビデオを27分間みて
いただきました。