「究極のダイエット」
澁田大路=澁田歯科クリニック院長、八戸市在住
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世間では、ダイエットへの関心が高いようです。さまざまな方法があり、そ
れなりの効果があるようですが、我慢や苦痛を伴ったり、一時的だったり、結
局リバウンドで逆に体重が増えている人も多いようです。
いろいろやってみたけど結局ダメで…という患者さんから「歯を縛ってくだ
さい、テレビでやっていたんです」と頼まれたこともあります。顎骨(がっこ
つ)骨折の治療で歯を縛って固定することはありますが、一生そのままという
わけにはいきませんし、ダイエットのためにはやりません。
摂取カロリーを減らすことばかりを考えて、食事を抜いたりする極端な制限、
偏った食物だけの食事では、栄養のバランスがくずれて、体重は減っても体調
をくずして病気になってしまう例もあります。
我慢によるダイエットは、ストレスがたまって結局リバウンドしてしまいま
す。何よりも大事なのは、健康的に体重を減らし、それを維持することです。
「究極のダイエット」はよくかんで食べることです。健康的にやせられて、
好きなものがおいしく食べられて、リバウンドがない。正に究極のダイエット
です。よくかむことにより、ダイエットに対して二つの効果があります。一つ
は満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防ぐ、二つ目は内臓の脂肪を分解する―です。
満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防ぐ―。これには二つの作用機序があります。
一つは食物をかむという行為そのものが満腹中枢を刺激します。もう一つは血
糖値が上がることによる満腹中枢の刺激です。
内臓の脂肪を分解する、かむことにより、消費エネルギーが多くなります。
特に下腹部、お尻、太もも、内臓の周りに多く存在する脂肪に作用し、分解し
てくれます。
糖尿病やメタボ、その他で体重を減らさないといけない方でも”早食い”の
習慣があると、改善するのは至難の業です。太っている人は食べる時間が短く、
ひと口の量が多いという調査もあります。必要以上に食べているのですが、満
足できないためにもっと食べてしまう、という悪循環です。満腹中枢が刺激さ
れるには20分ほどかかります。
厚生労働省では、ひと口30回以上かんで食べることを目標とする「噛ミング
30(カミングサンマル)」を提唱しています。ひと口の量を少なくして、30回
以上かんで、ゆっくり20分以上の食事を楽しむのが一番です。ぜひお試し下さ
い。
ダイエットのためにもかかりつけ歯科医院を決めて、常に歯を良い状態にす
る事が大切です。