「患者・医師数」

本田 忠=本田整形外科クリニック院長、八戸市在住

 青森県民の平均寿命は、平成十七年で男性七六・二七歳(全国七八・七九歳)、
女性八四・八〇歳(全国八五・七五歳)と、男女とも全国最下位です。死因別
で見ると、特に悪性新生物、脳血管疾患、心疾患による死亡が多いことが本県
の特徴となっています。

 厚生労働省の「平成十七年患者調査」によると、調査を実施した特定の一日
において医療機関で受診した数は、青森県全体で十万五千五百人です。県民の
一三・六人に一人が受診していることになります。

 受診した患者さんの内訳は、入院と外来を合わせ、病院(病床数二十床以上
の施設)が36・9%、一般診療所(病床数十九床以下の施設)が50・5%、歯
科診療所が12・5%となっています。開業医を訪れた患者さんの方が多いこと
になります。これは病院と診療所の機能の使い分けという観点からは大変望ま
しいことです。

 性別に見ると、男性41・7%、女性58・3%で、女性が多くなっています。
このうち六十五歳以上は48・2%となっています。高齢化社会を反映したデー
タです。

 外来患者八万七千五百人について施設の種類別に見ると、病院は26・2%、
一般診療所は58・7%、歯科診療所は15・1%となっています。男性40・6%、
女性59・4%と女性が多く、六十五歳以上が45・5%を占めます。

 外来患者数が最も多かった平成五年(九万八千百人)と比較すると、89・2
%に減っています。特に病院では、平成八年と比較すると74・6%に減ってい
ます。

 それでも、青森県における平成十七年の受療率(人口十万人当たりの患者数)
は、全国平均より入院、外来ともに高い傾向にあります。

 青森県内の医療施設従事医師数は、平成十八年末現在、二千三百八十一人と
なっており、これを人口十万人対で見ると、一七〇・五人(全国平均二〇六・
三人)で、全国の中で医師数の少ない傾向にある北海道・東北の中にあっても
最も低い状況にあります。

 八戸市立市民病院は、重篤患者を二十四時間態勢で受け入れる「第三次医療
施設」に位置付けられています。