「患者サポート体制 下」

本田 忠=本田整形外科クリニック院長、八戸市在住

 今回は、全国で行われている地域連携パスの紹介です。多様な疾患で病診連
携が図られています。
地域において医師不足、専門医不足もありますので、他地域の実績を参考にし
ながら有機的な連携を図っていく必要があります。

◇産科関連
▽産科オープンシステム(静岡県浜松市)
1 出産までの健康診断は、産科の診療所で実施
2 出産については、県西部浜松医療センターなどの病院で対応
3 出産後の健康診断は、紹介元の診療所で実施
4 帝王切開等のハイリスクな出産は、出産後も病院で対応
5 病院医師と診療所医師が、患者との面談などを通じた治療方針の検討など
により、退院、術後管理等に関して共同指導を実施

▽産婦人科のセンター化(北海道・中空知地区)
 特定の医療機関に医師を集中し、他の医療機関に外来医師を派遣するシステ


◇がん診療
 八戸地域でも二〇〇五年、八戸市民病院が地域がん診療連携拠点病院に指定
されました。全県のネットワークの構築も必要です。

▽緩和医療の提供体制
1 チームによる緩和医療の提供体制を整備
2 地域において、かかりつけ医を中心とした緩和医療の提供体制を整備
3 かかりつけ医と共に地域がん診療連携拠点病院内外で共同診療を行い、早
い段階から緩和医療の導入に努める
4 かかりつけ医の協力・連携を得て、退院後の緩和医療計画を含めた退院計
画を立てる

▽地域がん診療連携拠点病院内に相談支援センター等を設置
▽施設単位でがん患者の医療情報を集積し、別途定める標準登録様式に基づ
く「院内がん登録」を実施

 このほか、医療資源の有効活用、専門医不足の対策として、IT(情報技術)
なども導入していく必要があります。幸い当地はIT関連の先進地域です。関
係各位の合意さえあれば、そう費用をかけずにネット上にさまざまなIT利用
のシステムを構築できると思われます。