「二次保健医療圏」

本田忠=本田整形外科クリニック院長、八戸市在住

◇医療は2次医療圏単位で考える
 「医療法」で定められた、包括的な保健医療サービスを提供していくための
「地域単位」です。
各都道府県で地理的条件や、交通事情などの社会的条件を考慮して設定します。
青森県の場合は6つに分かれます。

◇2次保健医療圏別にみた入院患者の動向
 入院患者で、圏域外の患者が流入する割合は、
1津軽地域17・6%、2青森地域15・7%、3八戸地域13・5%、
4上十三地域10・2%、5下北地域4・6%、6西北五地域2・6%の順で
す。
 隣接した地域からの流入が多くなっています。
八戸地域は県外からの流入が多くなっています。

◇圏域外へ流出する割合は、
西北五地域27・0%、上十三地域24・1%、下北地域24・1%、
青森地域5・5%、津軽地域5・5%、八戸地域4・7%となっています。
 その流出先をみると、西北五地域からは津軽地域へ、
上十三地域からは八戸地域へ、下北地域からは青森地域への流出が多くなって
います。

◇患者の住所地(市町村)からみた入院患者の動向
 青森地域、津軽地域、八戸地域では、どの市町村もおおむね、
90%以上の患者が自圏域内の医療施設で入院しています。
 西北五地域、上十三地域、下北地域の各保健医療圏では、
各市町村ごとの自圏域内における入院はおおむね80%以下です。

◇2次医療圏はそれなりにうまく設定されている
 周辺地域から医療機能の充実した青森、弘前、八戸へ流れていますが、
15%前後です。85%の患者さんは地域で医療を受けている事になります。
 現在のところ地域割りはうまくいっているともいえます。
しかし過疎化が進行すれば、この3市に集中していくことになると予想されま
す。